キャリアというもの

毎晩、眠る前に子供たちへお話しをするのですが
よく、度を超した話の展開により
寝せるはずが話が面白くなりすぎて
なかなか子供が眠らないという
状況になります

あり過ぎです。

2010年 10月あたりでしたか。
ドラム式の洗濯機の中をのぞこうとする娘のために
洗濯機の中から、夜になるとお化けが出て来るという
話を始めたのがきっかけでした。
『太郎』『次郎』という二人兄弟の幽霊。
名前も即席で決めたのですごく適当。
でも、眠る前に話すのでなるべく想像しやすいようにいろいろ
細々とした設定を付け足しているうちに
見事なキャラクターになり
二人の兄弟以外に、魔女のお母さんとか彼らを取り巻くたくさんの動物とか
登場します。

3年以上、寝る前にリクエストされます。

毎晩ではありませんが、
震災の直後も
あれこれ大変な出来事があった日の夜も

たくさん私に怒られた日の夜も
彼らは「太郎さん」と「次郎さん」という二人の幽霊が冒険をする話を聞いて
眠りました。

話が定着したのは偶然でしたが実は
子供が大きくなったとき
ちいさい頃の記憶として何か思い出せる特別な思い出があったらいいと
意識をしたのが2010年でした。

仕事もしていたし、子供の話とか丁寧に聞いたり学校での様子を細かく気にしたり
できない。それ以外にも自分自身、興味あることも多いし。
でも、できるなら
子供たちが幼少期お母さんの9割が駄目だったと思っても
1割はお母さんの何かがよかったという物があれば、
いいなって思ったのです。

そこで、ご飯は丁寧に作ることにしました。
毎日です。
時々、手も抜きます。

それから、このお話しでした。

いつか、子供たちが大きくなったとき
例えば地下鉄の中で突然
何かの瞬間、話を思い出して懐かしくなったりとか
そんな風になったらいいなって。